「国際ロマンス詐欺」という言葉を耳にしたことがありますか?
国際ロマンス詐欺はSNSやマッチングアプリなどを通じて知り合った外国人と恋愛関係になり、お金を要求されたり投資を勧められ騙し取られる詐欺のことを指します。
近年の外出を自粛したり会食の機会を減らす風潮から、マッチングアプリの利用が増え国際ロマンス詐欺の被害が急増しています。
国際ロマンス詐欺ではSNSで突然メッセージが送られてくることもありますが、詐欺時の手口の特徴として「医師と名乗る」ことが多いと言われています。
そこで今回は国際ロマンス詐欺師が医師を名乗る場合の特徴について詳しく解説します。
詐欺被害に遭うことがないよう、十分注意しましょう。
国際ロマンス詐欺は以下の記事で詳しく解説しています。
『国際ロマンス詐欺とは? 手口・対策・実際の事例などを徹底紹介』
【この記事でわかること】
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Contents
国際ロマンス詐欺師がよく使う職業は医師が多い?
国際ロマンス詐欺師が名乗る職業は「医師」「軍人」「実業家」「金融系」が多いと言われています。
どの職業も、具体的な仕事の内容を他人に知らせてはいけないため、仕事内容やスケジュールがわかりにくいことが特徴です。
その中でも医師は専門知識がないと仕事の話ができないため、仕事について追求されることが少ないという詐欺師にとって大変都合がいい職業です。
他にも国際ロマンス詐欺師が医師を名乗るのには以下のようなメリットがたくさんあります。
それぞれの理由について詳しく解説します。
お金に困っていない状況をアピールするため
医師は一般の職業に比べ働く場所の選択地が多く、高収入と世間にイメージされていることから「お金には困っていない」と思わせることができる職業です。
国際ロマンス詐欺は、まず相手に恋愛感情を抱かせ特別な相手になることから始まります。
そして相手の意思でお金を渡す、という状況を作る巧妙な手口が特徴です。
生活上でお金の心配がないというのは、SNSやマッチングアプリの出会いで恋愛に発展したり結婚を考える場合、大きなポイントになることを利用しているのです。
信頼してもらいやすくするため
国際ロマンス詐欺師は、少しでも早くターゲットからお金を騙し取りたいため、最初から信頼を得ようと社会的地位の高い職業を名乗る傾向があります。
医師は国家資格で収入も高く、何より人の病気を治すために尽力する職業のため、恋愛や結婚相手を探している人から信頼を得やすいと言えるでしょう。
また、連絡が遅れたり不規則な時間にメッセージを送ったとしても、「急患が入った」「夜勤中時間が空いた」など言い訳の理由が作りやすく疑われにくいというのも詐欺師が医師を名乗る理由になります。
お金を貸す際に「返ってくる」と思わせるため
生活上のお金に困っていなくて、社会的に信頼のおける職業についている人から「手持ちがないからお金を貸してほしい」「関税を立て替えてほしい」と頼まれたら、「貸してもすぐに返ってくるだろう」と思いますよね。
ましてや恋愛感情があり結婚を意識している関係であればなおさら信用してしまうでしょう。
医師という職業を名乗ることは、相手の警戒心を薄れさせる絶好の手口であることがわかりますね。
国際ロマンス詐欺師かも?医師に言われたら危険な言葉
SNSやマッチングアプリを利用している医師が、全て国際ロマンス詐欺師だというわけではありません。
医師は多忙で出会いが少ない傾向にある職業のため、マッチングアプリや婚活サイトを利用している方も多いと考えられます。
そこでSNSやマッチングアプリ上で医師を名乗る人から言われたら、危険な言葉を具体例とともに紹介します。
以下のような言動が多ければ多いほど、国際ロマンス詐欺師の可能性を疑わなければなりません。
「愛している」など甘い言葉で積極的に口説いてくる
国際ロマンス詐欺は、モデルのような外見の外国人を装っており、プロフィール写真は偽造や勝手に他人の写真を使用することが多いのが特徴です。
日本人とは異なり愛情表現が豊かで、積極的に毎日のようにメッセージを送ってくるでしょう。
国際ロマンス詐欺では少しでも早くお金を騙し取るために、いかに早く恋愛関係に発展させるかが重要です。
「愛している」
「あなたに出会うために生きてきた」
「一生一緒にいたい」
などの言葉で、知り合ってすぐに「見た目が良く医師というハイスペックな職業の外国人」に口説かれたら注意しましょう。
「〇〇という国で救護活動をしている」という過酷アピール
国際ロマンス詐欺師は、過酷な状況下で働いているとアピールすることでターゲットからの信頼を得て、さらに同情させる手口を使うことがあります。
「難民キャンプで子供に予防注射をしている」
「軍医として軍事基地に駐在している」
「内戦地で国連PKOに参加している」
といった言葉で信頼と同情を得ようとアピールするとともに、「危険な場所にいるので手元にお金を持っていない」とこの信憑性を高めることにもなるため、国際ロマンス詐欺師にとって都合がいいのです。
「プレゼントを贈りたい」など関税を払わせようとする
外国に住んでいる設定の場合よく使われる手口が、関税と偽って送金させる手口です。
「家を買うためのお金を贈ったが、税関で差し押さえられたので税金を立て替えてほしい」
「プレゼントを贈ったが、高価なため関税がかかってしまった」
「関税を払うために雇った弁護士に手数料を払っておいてほしい」
など、よく考えたらおかしいと思うことも、恋愛感情があったり結婚に意識が向いていると信じてしまうのが国際ロマンス詐欺の恐ろしい特徴です。
お金が必要になるトラブルに巻き込まれたと報告してくる
メッセージのやり取りなどで交流が深まり、恋愛関係に発展した頃合いで何かしらの「お金が必要になるトラブル」が発生するのが国際ロマンス詐欺の特徴です。
「家族の病気が見つかりすぐに手術が必要だが、費用が高額」
「あなたと結婚するため軍医をやめようとして、規律違反で違約金を請求された」
「事故に遭って入院したが動けないため費用が払えない」
というのがよくあるお金を必要とするトラブルです。
1度送金すると、次から次へとトラブルが起こるようになり、その都度送金を要求される上に提示される金額が上がっていくことも特徴です。
国際ロマンス詐欺の可能性が高い医師を判別する方法
大抵の人は国際ロマンス詐欺に関するニュースなどを目にしても「自分に限って詐欺に引っかかるわけがない」と思っているでしょう。
しかし、国際ロマンス詐欺の手口は年々巧妙になり、SNSやマッチングアプリ以外にも言語学習やメッセージアプリなど身近なツールを利用することも増えています。
国際ロマンス詐欺被害に遭わないために、以下に挙げた詐欺師の可能性が高い医師の判別方法をしっかり覚えておいてくださいね。
プロフィール写真が本人のものではない
国際ロマンス詐欺師は他人の写真を勝手にプロフィールに使用しています。
フリー写真サイトから転用していることも多く、「画像検索」をかけて同じ写真がないか調べてみることをお勧めします。
また、医師であることを強調した、白衣や手術着を着ていたり背景が病室や診察室とわかるように撮影された写真を使用している場合もあります。
しかし、通常医療現場では「医療コンプライアンス」を徹底することを求められるため、現役医師がプライベートで院内の写真を使用することは考えにくいので、わざわざ載せている場合は詐欺師を疑う必要があります。
プロフィールの文面が他の人と同じような内容である
詐欺師は日々ターゲットを探しているためマッチングアプリなどのアカウントを数多く取得し、ブロックされても次々使えるように用意しています。
そのためプロフィールの文面が似通っていたり、翻訳ソフトを利用したちょっと不自然な日本語である場合が多く見られます。
基本データも同じように設定している場合も多く、身長や体型のデータが明らかに写真と違うことや出身地が不明になっているなど不審な点が見られるため、プロフィールはよくチェックしましょう。
送ってきた写真の背景などに着目してみる
メッセージのやり取りをするようになると、詐欺師は自分の写真を送り実在していることをアピールしてきます。
そこで「今いる場所」と「写真の場所」が一致するかチェックしましょう。
例えば「今アフリカの難民キャンプにいる」と連絡してきたのに撮影場所の背景が都会だったり、別の国にしか売っていない飲み物を持っているなど矛盾があったら要注意です。
ロゴのついたビルや商品は、ネットで画像や名前を検索すればどこのものかわかることが多いので、チェックをおすすめします。
話に矛盾や違和感がないか慎重に確認する
恋愛感情が盛り上がっていると、相手の言うことを全て受け入れてしまう心理が働きがちなものです。
しかし、国際ロマンス詐欺師の話は一歩引いてみれば矛盾や違和感だらけなことが多いものです。
「軍医で戦地にいるのに、来週日本に来ると言う」
「早くに両親を亡くしたはずなのに、母が病気で治療費が必要と言う」
「結婚資金として高額送金したいので、税金を払ってほしい」
これらは実際に国際ロマンス詐欺に遭った被害者の話をまとめたもので、同じような内容が多く聞かれます。
国際ロマンス詐欺はグループでの犯行が多く、1人のターゲットに対し何人もの詐欺師が交代で1日に数十件以上メッセージを送ることがあり、知り合った時に言っていたことと現状が全然違うと気づいたら詐欺を警戒しましょう。
まとめ|国際ロマンス詐欺師は医師を名乗ることが多いので注意して
SNSやマッチングアプリを利用した出会いが身近になっている近年、国際ロマンス詐欺被害に遭わないよう自分を守ることが大切です。
詐欺師が医師を名乗ることが多いことは確かですが、実際に医師がSNSやアプリを利用することももちろんあります。
プロフィールや写真が本物か、話の矛盾や違和感がないかをしっかりチェックして、「おかしいな」と思ったら第三者や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
周りの人の意見を聞き、国際ロマンス詐欺被害を回避しましょう。
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