近年、国際ロマンス詐欺被害急増に伴い対策方法や見分け方も多くのメディアで取り上げられるようになりました。
当記事ではあえて国際ロマンス詐欺に引っかかってみた人たちの事例から、よくある手口の特徴を解説します。インターネット上で外国人パートナーを探している人やSNSやマッチングアプリですでに怪しい人物からメッセージがきている人はその特徴に当てはまるかチェックしてみましょう
国際ロマンス詐欺は以下の記事で詳しく解説しています。 『国際ロマンス詐欺とは? 手口・対策・実際の事例などを徹底紹介』
・国際ロマンス詐欺に引っかかってみた結果
・国際ロマンス詐欺の特徴
・国際ロマンス詐欺を見抜くコツ
Contents
国際ロマンス詐欺とは?急増中の詐欺の特徴
国際ロマンス詐欺とは、インターネット上で出会った外国人の恋人から多額のお金を騙し取られる昔からある詐欺のひとつです。ここでは近年、SNSやマッチングアプリの普及に伴い被害が増加傾向にある国際ロマンス詐欺手口の特徴を3つ解説します。
「私は大丈夫!」と思っているほど騙されやすいといわれているので、被害を未然に防ぐために覚えておきましょう。
SNSやマッチングアプリなどネット上で出会う
国際ロマンス詐欺師は、直接会ったりはせずインターネット上のやり取りのみでお金をだまし取るためSNSやマッチングアプリを利用してターゲットを探します。
したがって、SNSやマッチングアプリで見知らぬ異性から突然親しげなメッセージが送られてきたら要注意!とくに、出会い目的ではなく日本語の投稿文しか載せていないSNSに英文のメッセージを送る人物は国際ロマンス詐欺師と考えてまず間違いないでしょう。
また、国際結婚を目的としたマッチングアプリにも国際ロマンス詐欺師は紛れているので、アプローチされたらほかの特徴が当てはまらないかチェックしてください。
甘い言葉で口説き恋愛や結婚を匂わせてくる
SNSやマッチングアプリで知り合った外国人から出会って間もないのにロマンス映画で出てくるような甘い言葉でアプローチしてくるのは、国際ロマンス詐欺がもっともよく使う手口。国によっても多少異なりますが、日本人に比べ外国人は恋愛に積極的な人が多く好意的な言葉を多く伝える人が多い傾向にあります。
しかし、すべての人がそういったタイプの人ではありませんし、恋愛に積極的な人は言葉だけではなく行動でもきちんと示すでしょう。
送金をねだられたり投資させられたりする
国際ロマンス詐欺師は積極的なアプローチで信頼関係を築くと二人の将来のためと送金をねだったり投資に参加させようとしたりしてきます。外国人にかかわらずお金の貸し借りはトラブルに発展しやすいためしっかりと断りましょう。断った後に音信不通になる人は詐欺師でなくともお金目的の可能性が高いので問題ありません。
また、最近急増しているのが投資話を持ちかけられ、お金を持ち逃げされるパターンです。投資はその道に精通している人でも確実な方法はありませんので、何も知識がない状態で手を出すのはやめておきましょう。
国際ロマンス詐欺に引っかかってみた事例をチェックしよう
国際ロマンス詐欺はパターンや特徴を理解すると比較的見抜きやすい詐欺だといえます。ここでは、あえて国際ロマンス詐欺に引っかかってみた事例をご紹介しますので、この事例を参考に詐欺被害を未然に防ぐための対策を考えましょう。
ただし、トラブルに巻き込まれるケースもあるため、国際ロマンス詐欺師からメッセージが届いたら返信せず運営会社へ通報してください。
事例①投資に誘われ50万円騙し取られそうになったケース
SNSで韓流俳優似のイケメン外国人と知り合った女性は、出会って間もなくして投資話を持ちかけられました。
最初は怪しいと感じ断りましたが「信用していない」と責め立てられ罪悪感がつのり5万円ならと承諾してしまったのです。5万円投資後本当に利益が出て入金されたので信じてしまい投資も乗り気になってしまいましたが、次の投資に50万円入金するようにいわれその女性は目が覚めました。
ちなみに、詐欺だと確信した時点で入金情報を調べるとすでに口座が削除されたあとだったので国際ロマンス詐欺で間違いないでしょう。この女性の場合は信用させるために一度だけ入金がされましたが、利益が出ているように見せて実際に出金するときに手数料としてお金を取られるケースもあるので注意してください。
事例②1,000万円騙し取られた女性が身元を探ろうとしたケース
とある日本人女性が、SNSで30代の韓国人男性と名乗る男性から合計1000万以上騙し取られてしまい、警察に駆け込むも被害届すら受理されなかったため、相手の身元を探ろうと試みました。
まず、勤め先とされている会社に電話するとその男性は在籍していなくほかにも同様の問い合わせがあると伝えられます。相手の所在がわからなくては被害届も賠償請求もできないため、女性は次に騙されているフリして相手から直接情報を聞き出そうとしたのです。
すると、相手は悪びれもなくお金の本当の使い道や顔を晒すようになりました。あと一歩のところで特定までいきそうでしたが、その頃国際ロマンス詐欺グループの大々的な逮捕が関係してか急に連絡が取れなくなったそうです。
事例③インスタで出会った外国人にLINEを教えたケース
最後にちょっとユニークな国際ロマンス詐欺撃退法をご紹介します。とある日本人女性のもとにインスタグラムで外国人からダイレクトメッセージが届きました。知り合いでもないのに親しげなメッセージや投稿写真の画質の粗さからこれは詐欺と確信したものの、わざと引っかかって見ることにしたのです。
最初はたわいない会話が続きましたが、数通やりとりするとLINEに誘導されました。LINEでは繋がりたくなったこの女性はこの辺で撃退しようと考え某チェーン店の公式ラインを教えフェードアウトしたのです。
ちなみに、日本語でやりとりしていますが、適当な会話を送っても特に指摘されずLINEに誘導するのが目的のようでした。
国際ロマンス詐欺に引っかかる前に見ておきたいポイント
国際ロマンス詐欺は「私は大丈夫」と思っている人ほど騙されやすい傾向にあります。しかし、早い段階で詐欺に気がつければ被害にあうことはありません。
ここでは、被害を未然に防ぐために見ておきたいポイントをいくつか紹介しますので、外国人パートナーを探している人、すでにやり取りをしている人は必ずチェックしてください。
出会いの場所はネットで早い段階から口説いてくる
先に解説したように、国際ロマンス詐欺師はインターネット上で出会い、早い段階で恋愛や結婚を匂わせるように熱烈アプローチする特徴があります。日本人の恋人同士ではなかなかないポジティブで甘い言葉が多いので、ついついほだされてしまいがちですが気をつけましょう。
また、本当に外国人が日本人の恋人を探している場合、ある程度日本語を勉強しているはずなので、明らかに翻訳ソフトを使用しているような文面は国際ロマンス詐欺と判断してまず間違いありません。
職業は医師や軍人を装っていることが多い
国際ロマンス詐欺師は、SNSやプロフィールの職業に社会的地位が高く、経済力がある医師や軍人を設定していることが多い傾向にあります。もちろん、本当に医師や軍人のケースもありますが、下記に当てはまる場合は詐欺である可能性が非常に高いので注意してください。
- 内部情報を投稿している
- 経験年数が浅いのに重要ポジションについている
- 白衣や軍服を着たプロフィール写真を設定している
また、国際ロマンス詐欺師はよくプロフィールに魅力的な写真を掲載していますが、本人ではなくインターネット上で手に入れた写真であることが多いので、画像検索で調べてみましょう。
メッセージの雰囲気が日によって異なる
国際ロマンス詐欺は組織的に詐欺を働いているケースが多く、ターゲットにマメにメッセージを送るため複数人でひとりの人物を演じているケースがあります。その場合、日によってメッセージを送る人が変わるので、文面や雰囲気が統一されていないのが特徴です。
英文や翻訳アプリを通してメッセージのやり取りをしていると気が付きにくいこともありますが、そういう場合は絵文字で判断してください。絵文字の有無はもちろんのこと、よく使う絵文字や顔文字がコロコロ変わる場合も国際ロマンス詐欺集団である可能性が高いでしょう。
話の内容に食い違う部分が多いと感じる
先に説明した通り、国際ロマンス詐欺は複数人交代制で多くのターゲットにメッセージを送信している可能性が高いため、話の内容が食い違うことが多くなります。これは、職業や在住地といった大まかな設定はある程度決まっていますが、細かい情報はその時担当している人物がアドリブで回答するケースもあるためです。
情報が矛盾している場合は、国際ロマンス詐欺でなくとも何か隠し事をしていることは明白なので一線引きましょう。また、明確に何がという確証がなくとも怪しいと感じたら連絡は控えるのが無難です。
お金が必要になる出来事が頻繁に起こるようになる
国際ロマンス詐欺に一度でも送金すると、お金が必要になる出来事が頻繁に起こるようになります。とくに、下記のような理由は詐欺である可能性が非常に高いので注意しまてください。
- 会いに行く旅費を送金してほしい
- プレゼントを送ったが関税で止められたので解除料金を払ってほしい
- 親族が病気で手術費用を送ってほしい
- 結婚するために軍の除隊にかかる違約金を立て替えてほしい
- 難病の子を救うのに援助してほしい
恋人から頼まれると断りづらい気持ちもわかりますが、本当に恋人同士であるならできないことはできないときちんと断る勇気を持ちましょう。これで音信不通になる相手は詐欺師でまず間違いありません。
国際ロマンス詐欺に引っかかっているかもと思ったら?
国際ロマンス詐欺に引っかかっているかもと思ったら泣き寝入りせず、適切に対処しましょう。ここでは、国際ロマンス詐欺の被害に引っかかっているときにすべきことを3つ紹介しますのでぜひ参考にしてください。
また、送金や個人情報を教える前に詐欺に気がついた場合も、しかるべきところに報告することで国際ロマンス詐欺グループ撲滅に繋がります。
送金履歴など証拠になりそうなものは押さえておく
万が一、お金を送ったあとに詐欺だと気がついた場合は証拠になりそうなものはすべて記録しておきましょう。被害届提出や損害賠償請求には相手の情報や詐欺被害の証拠が必要なためできるだけ下記の証拠を集めてください。
- 送金履歴や相手の口座情報
- 利用しているツールのアカウント名
- メッセージややり取りのスクリーンショット
- ビデオメッセージの録画
- 通話の録音データ
- 住所や氏名といった個人情報
ツールを利用してやりとりをしている場合、相手側に削除される恐れもあるので、スクリーンショットや録音ツールを利用して確実に残しておきましょう。
送金や個人情報を教えるようなことはしない
国際ロマンス詐欺でなくともインターネット上でのみやり取りしている相手に個人情報を教えることははもちろん送金もしてはいけません。「プレゼントを送りたい」「結婚相手の事が知りたい」と理由をつけて聞き出そうとしますが、きっぱり断るかフェードアウトしましょう。
国際ロマンス詐欺だとは気がつかずに個人情報を教えてしまった場合は、悪用される危険性が否定できませんので、できる限り変更してください。一度騙されてしまった人の個人情報は、ほかの詐欺集団にも流れることがあり、新たな詐欺に遭う可能性が高い傾向にあります。
信頼できる弁護士に相談してみる
国際ロマンス詐欺に引っかかっているかもと感じたら信頼できる弁護士に相談してみるのが一番有効な手段といえるでしょう。被害届の提出や損害賠償請求は、証拠を揃えるのはもちろんのこと、ほかにも書類作成がたくさん必要です。国際ロマンス詐欺に精通した弁護士であれば、手続き代行以外にもお金を取り戻せる確率も高くなります。
また、詐欺被害直後に面識のない弁護士と名乗る人物から詐欺の注意喚起を目的とした電話がきたときは詐欺グループの仲間である可能性が高いのでその弁護士には頼まず信頼できる弁護士に問い合わせましょう。
まとめ|国際ロマンス詐欺かもと思ったら早めに手をひこう
国際ロマンス詐欺かもと思ったら早めに手を引きしかるべきところに報告しましょう。面白半分でわざと詐欺に引っかかったフリをすると思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もありますので絶対にしないでください。
また、万が一詐欺被害にあった場合は泣き寝入りせず、確実な証拠を集め信頼できる弁護士に相談しましょう。弁護士事務所にツテがない人は、国際ロマンス詐欺に精通していて実績が多く、無料相談を受け付けている事務所がおすすめです。