国際ロマンス詐欺で詐欺師に送金してしまったら、どうすれば良いのでしょうか。
複数回送金したあとに「詐欺だ」と気付く被害者も少なくありません。
どうやって現金を取り戻すべきか分からず、途方に暮れる方も多いでしょう。
そこで今回は、国際ロマンス詐欺で返金請求をする方法について紹介していきます。
大切な財産を取り戻すためにも、ぜひ記事の内容を最後までご確認ください。
また被害に遭わないための対策としても、内容をチェックしておきましょう。
国際ロマンス詐欺についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
『国際ロマンス詐欺とは? 手口・対策・実際の事例などを徹底紹介』
当記事はこのような人におすすめ!
- 国際ロマンス詐欺で返金請求する方法が知りたい
- 返金請求には何が必要か知りたい
- 国際ロマンス詐欺でお金に困った時の対策が知りたい
詐欺被害に強い弁護士事務所へ相談する
Contents
国際ロマンス詐欺で返金請求する方法
国際ロマンス詐欺で、詐欺師に返金請求する方法を紹介します。
被害に遭った時に考えられる主な返金請求の方法は、以下の2つです。
- 警察に被害届を出して口座を凍結してもらう
- 詐欺事件に強い弁護士に依頼する
自力での解決は難しいため、詐欺被害に遭ったら専門家への相談が必要です。
それぞれの方法について、1つずつ紹介していきます。
詐欺師が現金を引き出してしまうと、取り返せる可能性が下がりますので、至急行動してください。
警察に被害届を出して口座を凍結してもらう
「詐欺師に現金を振り込んでしまった!」と気付いたら、警察に被害届を出して詐欺師の口座を凍結してもらう方法があります。
振込先が日本国内の銀行・信用金庫なら、以下の場合に詐欺師の口座を凍結できるのです。
捜査機関とは警察を意味しています。
詐欺被害に遭ってすぐ警察に相談し、銀行への通達を出してもらえれば、口座を凍結できる可能性があるでしょう。
相手が現金を引き出す前なら、取り戻せるかもしれません。
ただし詐欺だと断定するのが難しい状況だと判断されてしまうことも考えられます。
そんなリスクを避けるためには、警察に相談する前に弁護士に相談すると良いでしょう。
詐欺事件に強い弁護士に依頼する
詐欺師に返金請求をするのなら、詐欺事件に強い弁護士に依頼する方法があります。
弁護士に依頼するメリットは以下の通りです。
- 必要に応じて警察にも同行してもらえる
- 銀行に口座凍結の通達が出せる
- 詐欺師に返金請求ができる
弁護士は必要に応じて警察に同行して、適切な説明をしてくれるでしょう。
捜査機関だけでなく、弁護士も銀行や信用金庫などへの通達が出せます。
また、業務で返金請求ができるのは弁護士だけです。
ただし注意したいのが「詐欺事件に強い弁護士ばかりではない」ということ。
交通事故に強い・離婚問題に強い……など、弁護士にも、それぞれ得意分野があります。
国際ロマンス詐欺について依頼するのなら、詐欺事件の対応実績がある弁護士を選ぶと良いでしょう。
弁護士に相談すべき理由やメリットをさらにくわしく紹介している記事もありますので、併せてチェックしてみてください。
国際ロマンス詐欺の被害に遭ったら弁護士に相談すべき理由とは?
弁護士以外は業務での返金請求ができないため注意
弁護士以外は業務での返金請求ができないため、注意してください。
探偵事務所・司法書士事務所でも「国際ロマンス詐欺の相談が可能」としているところがあります。
もちろん被害状況の相談だけなら可能です。
しかし詐欺被害に遭ったなら、相談だけでなく返金請求もしたいですよね。
弁護士以外が依頼を受けて返金請求を行うと、弁護士法第72条の非弁行為にあたるため違法となってしまうのです。
弁護士法 (非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止) 第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
特別な例を除いて、法律事件について鑑定や代理ができるのは弁護士だけとなります。
そのため、返金請求を考えているのなら、相談先には弁護士を選んでください。
国際ロマンス詐欺で返金請求するには何が必要?
国際ロマンス詐欺で被害に遭い返金請求するのなら、何が必要になるのでしょうか。
警察や弁護士への相談にあたり、何から準備したら良いか分からずお困りの方もいるでしょう。
「詐欺に遭った」という事実で頭が真っ白になってしまう人もいるはずです。
そこで警察や弁護士への相談をするにあたって必要なものを紹介します。
詐欺事件での相談を考えているのなら、なるべく早く必要なものを準備したうえで、弁護士に相談してください。
詐欺師とのメッセージのログ
国際ロマンス詐欺の被害に遭ったなら、詐欺師とのメッセージのログをすべて持参して専門家に相談してください。
メッセージのログが大きなヒントになり、相手にたどりつける可能性があると考えられます。
具体的には、SNSやマッチングアプリのメッセージ・メール・LINEの画面などです。
「捜査や返金請求には必要ないのでは?」「内容が恥ずかしいから見られたくない」など、いろいろ感じるかもしれません。
性別を問わず、相手に要求されて性的な写真を送ってしまったという被害者も大勢います。
抵抗を感じるのは当然ですが、必要かどうかは専門家が判断するべきことです。
まずは詐欺師とのログはすべて用意するようにしましょう。
詐欺師の個人情報や画像
詐欺師の名前・連絡先・口座番号の個人情報や、写真・動画などは、すべて相談時に持参しましょう。
国際ロマンス詐欺の詐欺師は、他人の画像をプロフィールに使用していることがあります。
また名前や連絡先もデタラメのケースがほとんど。
詐欺師がパスポートの画像を送ってきたとしても、偽造品の可能性が高いでしょう。
しかし思わぬところに、犯人につながるヒントが隠されている可能性があります。
送られてきた画像に映り込んだ商品から、詐欺師の居住地が割り出されたケースもあるのです。
そのため詐欺師から届いた情報は整理して、相談時に持参すると良いでしょう。
詐欺師への送金履歴
国際ロマンス詐欺に遭ったなら、詐欺師への送金履歴も保存・印刷して持参してください。
高額な被害に遭ったなら、現実を直視するのはつらいでしょう。
「見たくない」と感じる被害者もいるはずです。
しかし正確な金額や送金日時は、警察に相談するうえでも必要になります。
使われたのが国内の銀行や信用金庫なら、迅速な対応で相手の口座が凍結できるかもしれません。
新たな振り込みをしようとして詐欺が発覚し、振り込み済みのお金を取り戻したケースもあります。
詐欺師の手がかりを得るためにも、送金の明細や払込票などは、可能な限りすべて持参しましょう。
詐欺被害に強い弁護士事務所へ相談する
国際ロマンス詐欺に遭いお金に困ったときの対処法
国際ロマンス詐欺で送金してしまいお金に困ったら、どのように対処すれば良いのでしょうか。
誰にも被害を打ち明けられず、苦しんでいる人もいらっしゃいますよね。
国際ロマンス詐欺では、数百万・数千万円の被害に遭ったという被害者も多数存在します。
そのなかには「相手に送金するため借金をしてしまった」という人もいるでしょう。
理想は弁護士への依頼によって、返金が行われることですよね。
しかし依頼した直後に返金が実現するとは限りません。
そこで詐欺被害でお金に困った時の対処方法を紹介していきます。
苦しんでいるだけでは、状況は変わらないでしょう。
紹介する内容を参考に、ぜひ解決を目指してみてくださいね。
生活を見直す
国際ロマンス詐欺で詐欺師に送金するために借金をして、月々の支払いが増えているのなら、まずは生活を見直しましょう。
現状の収入では苦しいと感じるのであれば、早急に見直しをする必要があります。
- 賃貸住宅に住んでいるなら家賃が安いところに引っ越す
- 交際費や娯楽費を減らす 各種有料会員サービスを解約する
- 不要な家電やブランド品などがあるなら売却を検討してみる
一つひとつで減らせる金額は少なかったとしても、まとまると大きな金額になるものですよね。
毎月いくら不足しているのか、まずは現状を確認することも大切です。
月数万円程度が不足するのなら、生活の見直しで状況が落ち着くかもしれません。
副業をして収入を上げる
生活を見直しても状況が変わらないなら、副業をして収入を上げる方法も考えましょう。
近年はWワークを推奨している会社も増えています。
- 短期アルバイトをする
- 日雇いの副業をする
- クラウドソーシングを使う
短期間でも収入を得られる仕事が、求人サイトには多数掲載されています。
ただし日雇いであっても、当日に現金を受け取れる仕事ばかりではありません。
日払い・週払い・月払いなど、給与の支払い日は必ず確認しましょう。
また公務員など就業規則で副業が禁じられている場合は、他の方法を考えてください。
副業が発覚して仕事を失うような事態は避けてくださいね。
カード会社に相談する
クレジットカードのキャッシング枠やカードローンを使って送金して返済に苦しんでいるのなら、カード会社に相談してみましょう。
支払えないからと放置してしまうと、延滞により利息が膨らんでしまうため注意が必要です。
カード会社に相談することにより、利息だけの返済にしてもらえる可能性もあります。
現状すぐに返済できないと感じているのなら、すぐに相談してみてください。
相談時には、返済できる見込みの日付を伝えるとスムーズです。
家族や職場には知られたくないと考えている人もいるでしょう。
しかし返済せず放置していると、必ず電話や郵便での督促が行われるため、周囲に知られる確率が上がります。
「今月は返済が難しい」と判明した段階で、すぐ相談してみてくださいね。
借金があるなら弁護士に相談して債務整理も考える
国際ロマンス詐欺による借金があるのなら、弁護士に相談して債務整理も考えましょう。
務整理とは、法律に基づいて借金の減額・免除・支払いの猶予などで債務を整理し、債務者の生活を立て直す方法です。
債務整理の主な方法は以下の3つです。
- 任意整理
- 自己破産
- 個人再生
どの方法がベストなのかは、現在の就業状況や収入、借金の額などによって違います。
弁護士に相談すると、状況に合った方法を提案してくれるでしょう。
債務整理の特徴とメリット・デメリットについても簡単に紹介しますので、ぜひ確認してみてください。
任意整理とは
債権者との交渉により、現在の支払いよりも負担を軽くする方法が「任意整理」です。
弁護士は、利息のカットや分割回数などについて債権者と交渉します。
利息の再計算により、借金が減額される可能性もあるでしょう。
大幅な借金の減額は見込めないものの、利息の免除や分割払いにより返済は楽になります。
<メリット>
- 利息がカットされ元金のみの返済ができる
- 債権者からの督促が来なくなる
- 月々の返済額が軽減される
- 分割払いをすべて終えると借金を完済できる
- 複数の借金から任意整理先を選べる
<デメリット>
- 一定期間クレジットカードやローンが使えなくなる
- 大幅な借金の減額は見込めない
- 安定した収入が必要である
自己破産とは
返済不能の状況に陥った時に、借金を法的に免除してもらう方法が「自己破産」です。
任意整理とは違い、安定した収入がない人でも自己破産は可能。
督促も借金の返済義務もなくなるものの、一定以上の財産があると没収されるのが自己破産です。
自己破産をしたからといって、必ず周囲に知られるというわけではありません。
しかし家や車などがあれば没収されるため、家族に知られるリスクはあります。
メリットもデメリットも大きいので、弁護士と相談しながら慎重に考えてください。
<メリット>
- すべての借金をゼロにできる
- 安定した収入がなくても手続きが可能
- 債権者からの督促が来なくなる
<デメリット>
- 一定以上の資産や現金は没収される
- 保証人や連帯保証人に支払い義務が移る
- 一定期間クレジットカードやローンが使えなくなる
- 官報に掲載される
- 制限を受ける職業がある
個人再生とは
借金を大幅に減額したうえで、残額を原則3年で完済する方法が、「個人再生」です。
状況によっては返済期間が5年になることもあります。
一定の収入があり、財産を残して借金を減額したいと考えているのなら、個人再生が良いかもしれません。
ただし自己破産と同様に、保証人に支払い義務が移行してしまうため注意が必要です。
他の方法と同様に、弁護士と相談しながら検討してください。
<メリット>
- 借金を1/5までに減らせる
- 家が残せる
- 借金の理由が問われない
- 差し押さえを停止できる
<デメリット>
- 手続きに時間が掛かる
- 保証人や連帯保証人に支払い義務が移る
- ローンが残っているなら車は没収される
- 債権者を選択できない
- 一定期間クレジットカードやローンが使えなくなる
- 官報に掲載される
国際ロマンス詐欺の被害に遭ったら早めに弁護士へ相談を!
国際ロマンス詐欺で返金請求を考えているのなら、至急弁護士に相談しましょう。
警察への同行や、銀行に口座凍結の通達を出すなど、弁護士は法的に対応してくれます。
詐欺師への送金で借金を抱えてしまった時にも、頼れるのは弁護士です。
被害により生活に困っているのなら、至急手を打ちましょう。
債務整理によって、月々の返済額を軽減や減額、免除が可能になるかもしれません。
手続きが完了するまでには時間がかかるものの、弁護士に依頼すると債権者からの督促は止まります。
「詐欺被害に遭い、借金をした……」そんなつらい状況なら、詐欺事件に強い弁護士への相談がおすすめです。
ぜひ法律の専門家である弁護士の協力を得て、国際ロマンス詐欺の解決を目指しましょう!
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