被害が多発する「国際ロマンス詐欺」とは、どのような犯罪なのでしょうか。
名前を聞いたことがあっても、自分には関係がないと考えている方も多いでしょう。
しかし国際ロマンス詐欺の犯人は不特定多数に接触しているため、誰もが気を付けなくてはなりません。
本記事では国際ロマンス詐欺とはどのような犯罪なのか、手口や対策などを紹介します。
返金請求の相談先についても紹介しますので、ぜひ内容を最後までご確認ください。
当記事はこのような人におすすめ
- 国際ロマンス詐欺ってなに?
- 国際ロマンス詐欺がどんな詐欺なのかよくわからない
- 国際ロマンス詐欺の被害にあったらどうすればいいの?
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Contents
SNSで急増している国際ロマンス詐欺とは
国際ロマンス詐欺とは、SNSがきっかけで知り合った相手を騙して金銭を送らせる「振り込め詐欺」の一種です。
被害者は30代~60代が多い傾向にあり、そのうち73パーセントが男性となっています。
ロマンスと名付けられている通り、異性が接触してくるのが「国際ロマンス詐欺」の大きな特徴です。
かつて国際ロマンス詐欺は、女性を標的として、インターネット上のやりとりで恋人や婚約者を装って金銭を搾取する手法が一般的でした。
しかし近年は男性を標的とした「投資型」と呼ばれる手法が増加しています。
騙されていると気付かない人も多く、被害が高額になりがちであるため、国際ロマンス詐欺には注意が必要です。
国際ロマンス詐欺の犯人の目的
国際ロマンス詐欺の犯人が目的としているのは、お金や個人情報です。
ただし標的が女性だと、性的な写真を求められる例もあります。
相手に性的な写真を送った場合、被害に遭っても周囲には打ち明けづらいでしょう。
個人情報を詐欺グループに渡してしまうと二次被害のおそれもあります。
お金・個人情報・性的な写真いずれも、第三者には不用意に渡さないようにしましょう。
特殊詐欺の1つとして警察も注意喚起
国際ロマンス詐欺は、特殊詐欺の1つです。
警視庁では国際ロマンス詐欺を含め、特殊詐欺を根絶すべく、対策・検挙活動を実施。
警察庁でも「警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ」を設け、注意喚起を行っています。
それでも国際ロマンス詐欺の被害は後を絶ちません。
基本的に、インターネットを通じた出会いにはリスクがあるものだということを把握してください。
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国際ロマンス詐欺の手口
マッチングアプリやSNSで、不審な人物からの連絡を受けた経験はありませんか。
もし経験があるのなら、相手は国際ロマンス詐欺の犯人だったかもしれません。
手口を覚えておくと、不審な相手を見抜ける可能性が高まります。
国際ロマンス詐欺の代表的な手口を流れに沿って紹介しますので、チェックしてみましょう。
マッチングアプリやSNSで相手からの接触がある
国際ロマンス詐欺では、まずマッチングアプリやSNSで犯人からの接触があります。
使用されるのはDMやメッセージで、コメントやリプライではありません。
そのためDMやメッセージの受信設定によっては、犯人からのアクションが行われない可能性も考えられます。
メッセージは、片言の日本語あるいは英語で送られてきます。
DMでメッセージや動画を送信
マッチング・友達申請・フォローなどで被害者に接触すると、犯人はDMを使ってメッセージや動画を送信し始めます。
大きく分けるとパターンは以下の2種類です。
- 投資型
- 恋愛型
かつては恋愛型が多かったものの、近年は投資型の被害事例が増加しています。
国際ロマンス詐欺では、1~2か月は普通のやり取りが行われるのが一般的です。
投資型・恋愛型それぞれの流れも紹介します。
投資型の流れ
パターンはさまざまですが、投資型では以下の流れが見られます。
- メッセージのなかで相手が資産家であるとアピール
- 職業を確認すると「投資家」だと言われて勧誘を受ける
- 投資への挑戦を決めると別の人物を紹介される
- 実際に投資すると初期のみ利益が得られる
- 出金しようとすると税金や証拠金を請求される
「新型コロナウイルス流行で収入が激減したが、仮想通貨(暗号資産)で儲けた」というパターンも存在します。
金銭的理由で投資を断ると、信頼を得るために相手はお金を貸そうとするでしょう。
しかしそのお金はダミーで、利益が出ているように見えても出金はできません。
税金・証拠金・保証金のデポジットなど、金銭を要求する名目はさまざまです。
投資型の流れでは、口座開設にあたって本人確認書類を提出させられる可能性があります。
免許証やパスポートなど本人確認書類の取り扱いにはくれぐれも注意しましょう。
入金では、基本的に個人口座あての送金が求められます。
恋愛型の流れ
投資型と同様に、恋愛型にもさまざまなパターンが見られます。
よくある流れは次のようなものです。
- ロマンティックな愛の言葉を使い恋愛関係にあるように見せかける
- 近いうちに日本に行く、あるいは会う約束をしてくる
- 「プレゼントが差し押さえられた」「病気になった」などの理由で金銭を要求してくる
恋愛型では「イエメンで医師をしている」「配偶者を失い幼い子供と暮らしている」という設定も頻繁に使われます。
金銭の要求時、犯人は返金を約束しますが、当然お金は戻りません。
本人確認書類として提示される相手のパスポートは、もちろん偽造品です。
また恋愛型の国際ロマンス詐欺では、婚姻の有無が確認されることがあります。
既婚だと恋愛型に発展しづらいため、犯人は「ベストフレンドになれる」と連発。
そのため恋愛ではない路線のものは「ベストフレンド詐欺」とも呼ばれます。
国際ロマンス詐欺の特徴
国際ロマンス詐欺には共通した特徴があります。
この特徴を把握しておくと、被害を回避できる可能性が高まるでしょう。
- 犯人が使用するSNS
- 犯人のプロフィール画像
- 犯人の国籍
- 犯人の職業
- 犯人から届くメッセージの文面
例外はありますが、上記の特に分かりやすい要素について1つずつ紹介します。
犯人が使用するSNS
国際ロマンス詐欺の被害が確認されているマッチングアプリやSNSには、以下のようなものがあります。
<マッチングアプリ>
- Tinder
- Omiai
- with
- ペアーズ
<SNS>
またWhatsAppのようなメッセンジャーアプリが使われるケースも散見されます。
犯人のプロフィール画像
国際ロマンス詐欺の犯人が使うプロフィール画像は、いずれも美男美女のもの。
しかし使用されているのは、無関係な一般人・有名人・モデルなどの写真です。
怪しいと感じるなら画像検索を使って他人の写真を使っていないか見分けましょう。
特に多いのは以下のようなプロフィール画像です。
- 被害者が男性の場合:アジア系美女(中国人・韓国人など)
- 被害者が女性の場合:ヨーロッパ系イケメン
上記のようなプロフィール画像の人物から接触があったら、警戒しましょう。
犯人の国籍
国際ロマンス詐欺では、アジアやアフリカに居住する詐欺師が、アメリカやイギリスのIPアドレスを偽装するケースが見受けられます。
犯人がプロフィールに記載する国籍は、アメリカ・イギリス・ロシア・韓国・中国・マレーシアなど。
日本在住の日本人が、国際ロマンス詐欺の犯人として逮捕されるケースも実在します。
犯人の職業
国際ロマンス詐欺は、下記のように犯人の職業も多岐に渡ります。
- 投資家
- 宝石商
- 石油エンジニア
- 軍人・軍医
- 医療関係者(医師・看護師)
- 宇宙飛行士
投資型で特に多いのは投資家。
恋愛型で特に多く見受けられるのが軍人/女性軍人や軍医/女性軍など。
国連関係者を自称するケースも多数あります。
犯人から届くメッセージの文面
国際ロマンス詐欺では、金銭を要求するメッセージの文面もさまざまです。
- 仮想通貨を現金化するために税金を払わなくてはならない
- 宝石や現金が税関で差し押さえられて関税や罰金などを支払わなくてはならない
- 紛争地域から日本への飛行機代を送金してほしい
- 前妻との子供が急病になったため治療費を立て替えてほしい
- 海外で拘束されたため弁護士費用を払ってほしい
出金には手数料などが必要・他に頼れる友人がいない、と詐欺師は繰り返し送金を求めます。
1度で詐欺師が姿を消すこともありますが、複数回金銭を要求される可能性も高いでしょう。
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見破ることは可能!国際ロマンス詐欺撃退方法
プロフィール画像や文面以外での見分け方には、以下のようなものもあります。
- SNS開設から日が浅い
- フォロー数やフォロワー数が少ない
それでは国際ロマンス詐欺を見破り、撃退する方法も確認してみましょう。
怪しいと思ったら画像検索
不審な外国籍の人物からマッチングアプリやSNSで接触があったら試したいのが画像検索。
パソコンを使うなら、まずGoogleの画像検索を開きます。
次に相手のプロフィール画像をドラッグ&ドロップしてください。
スマートフォンを使うなら、Google Chromeをインストールします。
そのうえで、相手の画像を長押しして「この画像をGoogleで検索」をタップしましょう。
別人の画像が使用されているなら、怪しいと考えられます。
ただし画像検索で見つからない可能性もあるでしょう。
その場合も怪しいと感じたら油断は禁物です。
被害に遭う前にSNSをブロック
国際ロマンス詐欺は、相手に反応しなければ被害が生じる可能性は極めて低くなります。
そこで被害に遭う前に考えたいのが、相手のブロックです。
マッチングアプリやSNSには、相手をブロックする機能があります。
疑わしい要素があるなら、相手をブロックすることも検討してください。
なお住所や電話番号を教えてしまうと、ブロックをしても連絡が入る可能性があります。
インターネットを通じた出会いでは、迂闊に連絡先を教えないよう、注意が必要です。
被害者多発!国際ロマンスの被害事例
被害者が多発する国際ロマンス詐欺について、実際の被害事例を紹介します。
ここで紹介する事例は、犯人が逮捕された事例を含めて3つです。
被害者の年齢は30~60代ですが、犯人は70歳以上というケースもあります。
仮想通貨が扱われた事例も紹介しますので、ぜひチェックしてください。
事例1.「1,000万円分の仮想通貨を騙し取られた36歳の女性」
滋賀県に住む36歳の女性が、マッチングアプリで知り合った相手から、投資目的で約1,000万円分の仮想通貨を騙し取られた。
犯人は外国籍を自称する男性。
男性は「300万円を投資すると55万円を稼げる」などのメッセージを送信していた。
女性は複数回に分けて指定されたアドレスに仮想通貨を送付。
滋賀県警では多額詐欺事件として捜査中。
事例2.「55人が詐欺被害に!総額1億円を搾取した3人組」
大阪府警国際捜査課などが、兵庫県に住む72歳の会社役員ら3人を逮捕。
3人は全国に住む男女55人から総額1.2億円を搾取していた。
そのうち半分はガーナに送金されたと見られており、国際的な犯罪だと考えられている。
逮捕された事件での被害者は、SNSで知り合った東京都に住む40代女性。
欧米の外交官を装い、「宝石を日本に持ち込むための費用が必要」として現金約350万円を騙し取った疑い。
事例3.「90万円を搾取した75歳の女性」
詐欺事件で逮捕されていた札幌市に住む75歳の女性シンガーソングライターが、国際ロマンス詐欺疑いとして再逮捕された。
容疑者はアメリカ国籍の男性を装い、別の人物と共謀。
「イラクで働いている、一緒に住むために飛行機代が必要」として、Facebookで知り合った64歳の
女性から現金約90万円を騙し取った疑い。
容疑者自身も、共謀した相手に対して恋愛感情を持っていた。
ただし容疑者も共謀した相手との面識はなかったと見られている。
国際ロマンス詐欺の相談窓口は?
国際ロマンス詐欺の相談窓口は以下の3つです。
- 警察
- 国民生活センター
- 弁護士
被害に遭ったら、1人で悩まずに解決に向けて専門家に相談しましょう。
警察
国際ロマンス詐欺の被害にあったと感じたときは、以下の電話窓口で相談できます。
- 警察相談専用窓口:#9110
また最寄りの警察署や交番での相談も可能です。
国民生活センター
誰もが相談できる窓口が、国民生活センターの消費者ホットラインです。
無料相談ではありますが、通話料金が発生します。
消費者ホットラインが話し中なら、平日バックアップ相談に電話してみましょう。
- 消費者ホットライン:(局番なし)188
- 平日バックアップ相談:03-3446-1623(10時~12時、13時~16時)
弁護士
国際ロマンス詐欺は、弁護士への相談も可能です。
ただし弁護士によっては、詐欺被害の対応が少ない可能性もあります。
スムーズに対応してもらうなら、詐欺被害への対応実績が多い弁護士を選びましょう。
国際ロマンス詐欺で奪われたお金を取り返す方法は?
「国際ロマンス詐欺で奪われたお金を取り戻したい」と考えているのなら、弁護士への相談が必要です。
詐欺被害での返金請求は極めて難しいもの。
自分で詐欺師と交渉して解決する可能性は、ゼロに近いでしょう。
失敗すると犯人に逃げられて終わるかもしれません。
そのため返金請求を考えているのなら、なるべく早い段階で、弁護士に相談してください。
返金請求ができるとする探偵事務所もありますが、詐欺業者に対して返金を請求するのは法律行為です。
そして探偵には、返金にかかる業務が認められていません。
依頼を受けて探偵が返金請求を行うと、弁護士法第72条の非弁行為にあたり違法となります。
そのため国際ロマンス詐欺の被害で返金請求を考えているなら、相談先は弁護士事務所です。
もし被害に遭ったなら、詐欺事件に強くて経験の多い弁護士事務所に依頼しましょう!
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