近年、国際ロマンス詐欺が急増していますが、詐欺師と知っていながら遊ぶ人が増えています。
このような行動で詐欺師が減るのではないかと考える人もいますが、逆に恨みをかって新たなトラブルに巻き込まれる可能性がありますので十分注意してください。この記事では、実際に国際ロマンス詐欺師と遊んでみた人の事例から詐欺師と遭遇してしまった場合の対処方法を解説していきます。
【この記事でわかること】
・国際ロマンス詐欺とは?
・国際ロマンス詐欺と遊ぶとどうなるのか
・国際ロマンス詐欺にあった場合の対処方法
Contents
国際ロマンス詐欺とは?
国際ロマンス詐欺とは、SNSやマッチングアプリといったインターネット上で出会った外国人パートナーから何かと理由をつけてお金を騙し取られる詐欺を指します。この詐欺の特徴は、出会ってから金を騙し取られるまですべてインターネット上で完結し、一度も詐欺師とターゲットが直接会わないところです。
また、恋愛関係を築いてからお金を要求するため疑い深い性格の人でも騙されやすい傾向にあります。少しばかり怪しくても恋人からの要求であれば答えなくてはという心理を利用しているのです。
しかし、国際ロマンス詐欺は出会って早々の熱烈アプローチや、自分の言いたいことばかり主張するという特徴があるため初期段階であれば見抜きやすいでしょう。
国際ロマンス詐欺で遊ぶ人もいる?実際に遊んだ人の事例を3つ紹介
国際ロマンス詐欺は一度騙されてしまうと気がつきにくいが、最初のメッセージで見抜けることもあるため詐欺師をおちょくろうと考える人もいるのです。
ここでは、実際に国際ロマンス詐欺師とのメッセージで遊んでみた人たちの事例を3つ紹介します。とはいえ、国際ロマンス詐欺師と連絡を取り続けていると新たなトラブルに巻き込まれる可能性もあるので絶対に真似しないでください。
事例①:詐欺師におかしな姿をさせて写真を送らせたケース
一つ目は、自称詐欺師ハンターがオークションサイトに潜む詐欺師を懲らしめるために、おかしな格好にさせて写真を送らせた事例です。オークションサイトに潜む詐欺師は、出品ページからターゲットにコンタクトを取り、高く買い取るから商品を先に送ってほしいと要求しますが、商品が届くと代金を支払わず消えてしまいます。自称詐欺師ハンターはこの詐欺師たちを懲らしめてやろうと、以下のような無理難題を要求し詐欺じゃないと証明してほしいと伝えるのです。
- 生魚を頭の上に乗せた写真を送ってほしい
- 牛乳を頭からかぶった写真を送ってほしい
普通であれば要求に答えませんが、詐欺師たちは信用してもらうため写真を撮って自称詐欺師ハンターに送りました。もちろん、詐欺師ハンターは詐欺ではないと信じるのではなく、この写真をインターネット上にアップロードして詐欺師たちを世界中に晒すのです。
事例②:心理カウンセラーの女性が詐欺師と遊んだ事例
二つ目は、女性心理カウンセラーの業務用SNSアカウントにコンタクトを取ってきた国際ロマンス詐欺師に心理戦を仕掛け遊んでみたという事例です。この女性は最初のメッセージの時点で国際ロマンス詐欺師と見抜いていましたが、職業柄どのようにやり取りして人を騙しているのか知りたくなりやり取りをはじめました。
国際ロマンス詐欺師に騙されている女性になりきるため、最初は警戒していたがだんだんと信用してきたという態度をとり詐欺師が罠にかけようとしたところで再度信用できないと繰り返します。国際ロマンス詐欺師は個人情報を聞き出そうと躍起になりますが、女性心理カウンセラーに翻弄され最終的には本性を現し女性は詐欺師をブロックして終了したのです。
事例③:詐欺師のボロを見つけ出す事例
三つ目は、とある男性がSNSで知り合った女性軍人を名乗る人物とやり取りをしていたところ矛盾が多かったため、追求していった事例です。
男性は最初のメッセージでは特別怪しいと感じた方ものの、やり取りを続けていくとどんどん矛盾点が出てきて国際ロマンス詐欺師だと気がつきました。
この男性が女性軍人を怪しいと感じたのは最初の数通のメッセージの時点で以下のような矛盾が多くあったからです。
- 娘をイギリスの寄宿学校に入れたのに本人はイギリスに一度もいったことがない
- 軍人と名乗っていたのに会社の話をしてくる
- 紹介された企業のURLが実在する企業の会社名を一部変更しただけのお粗末なサイトだった
上記のことを一つずつ指摘していくと国際ロマンス詐欺師も観念したようで、諦めたようなメッセージを最後にこの遊びは終了しました。
国際ロマンス詐欺師は見分けやすい?判断つけやすい特徴を紹介
国際ロマンス詐欺被害を防ぐには、詐欺師かどうか見分けて避ける必要があります。国際ロマンス詐欺はインターネットの普及とともに急増していますが、手口はある程度パターン化しているため特徴を知っておくとわかりやすくなるでしょう。ここでは、国際ロマンス詐欺と判断つけやすい特徴をいくつか紹介しますので参考にしてください。
- プロフィール写真がイケメンか美女
- 社会的な信用が高い職業を名乗っている
- マッチングアプリやSNSからLINEに誘導してくる
- 出会ってからアプローチまでのスピード感が早い
- お金を引き出すために同情しそうなエピソードを話してくる
プロフィール写真がイケメンか美女
1番わかりやすい国際ロマンス詐欺の見分け方は、プロフィール写真をチェックすること。SNSやマッチングアプリのプロフィール写真がスタイル抜群のイケメンか美女であれば国際ロマンス詐欺である可能性が非常に高いでしょう。
国際ロマンス詐欺は、恋愛関係を築いてからお金を騙し取るため、多くの人が魅力的だと感じる容姿をプロフィール写真に掲載する傾向があるのです。
とはいえ、インターネット上には詐欺師ではないイケメンや美女ももちろん存在するため、これだけでは判断できないという人は画像検索を利用してみてください。プロフィール写真をGoogle画像検索にアップロードすると類似画像がヒットします。フリー画像サイトや同一写真が複数ヒットしていたら詐欺師と判断して良いでしょう。
社会的な信用が高い職業を名乗っている
国際ロマンス詐欺師は、社会的信用度が高く経済的に余裕がある職業を名乗るのが特徴です。そのなかでも、医師や軍人を装う国際ロマンス詐欺師が多く、最近では海外で働く医師になりすましてお金を騙し取っていた詐欺グループが逮捕されました。このように、社会的信用が高い職業についているからと安心してやり取りを続けると危険ですので注意してください。
インターネット上で知り合った人物が職業を偽っているかどうかはSNSの投稿や、やり取りの中で見抜けます。例えば、医師や軍人は職務上、内部情報を外部に漏らしてはいけない決まりがあるため、聞いてもいないのに内部情報をペラペラ喋っていたら怪しいと思ってください。また、軍人は経験年数と昇給の関わりが密で、入ったばかりなのに重要なポジションにつくことはありません。
参照:読売新聞
マッチングアプリやSNSからLINEに誘導してくる
国際ロマンス詐欺師との出会いは、マッチングアプリやSNSが主流といわれていますが、やり取りは別のツールでしたいとLINEに誘導してきます。マッチングアプリやSNSは面識のない不特定多数の人たちが交流できる場として提供されているため、トラブル防止のためメッセージ内容を監視しているものが多いのです。
そのため、メッセージ内容を常時監視できないLINEに誘導してお金を騙し取ろうとする国際ロマンス詐欺師が多いのでしょう。
また、LINEのトーク履歴は送信取消しや削除ができるため、バレたときに証拠隠滅しやすいのです。SNSやマッチングアプリで知り合った外国人からLINEに移行しようとしつこく誘われても応じず、はっきりと断ってください。
出会ってからアプローチまでのスピード感が早い
国際ロマンス詐欺は、出会ってからアプローチまでのスピード感が非常に早く、ロマンス映画で出てくるような甘い言葉で口説いてくるのが特徴です。
日本においてもいえることではありますが、映画やドラマで出てくる人物は大なり小なり誇張している部分があります。したがって、海外映画や海外ドラマに出てくるような人物ばかりでなく、恋愛に対して奥手な人も多くいます。日本人よりは直接的な愛情表現が多いものの、会ったこともない相手に結婚を迫る人はほとんどいません。
そのなかで、出会って早々から熱烈にアプローチする人は稀であり、本気でない可能性が高いのではないでしょうか。もちろんインターネット上で出会い結婚まで発展するケースもありますが、出会って早々から熱烈アプローチする人は詐欺師か遊び人を疑ってください。
お金を引き出すために同情しそうなエピソードを話してくる
国際ロマンス詐欺師は、お金を騙し取る手段として同情して思わずお金を渡してしまいそうになるエピソードを多く話してきます。
例えば、聞いてもいないのに伴侶に先立たれいたり子供が難病にかかっていたりと怪しいと感じるもののデリケートな内容なので容易に否定できないものです。詐欺師がインターネット上で見つけたターゲットに対し、信頼関係を築けたと感じたら出会った頃に話しておいた悲しいエピソードに絡めてお金を引き出します。
出会ってからお金の話が出るまでは個人差があり、数日でお金を要求する詐欺師もいれば半年から1年恋愛関係を続けたあと要求する人もいるのです。後者の場合、相手を信じ込んでしまい多額の金銭を騙し取られても気がつかないケースがあるので注意してください。
国際ロマンス詐欺師に遭遇した場合は?遊ぶのはやめて他の対処をしよう
国際ロマンス詐欺に遭遇した場合、どのように対応すればいいかわからない人は少なくないでしょう。国際ロマンス詐欺の対処は、被害内容によって異なってくるため複数の方法があります。
ここでは、実際に国際ロマンス詐欺に遭遇した場合にやってほしい対処方法をいくつかご紹介しますので、詐欺師で遊ぶのはやめて実践してみてください。
連絡先をブロックする
国際ロマンス詐欺と気がついたときに詐欺師で遊ぶ人もいますが、思わずトラブルに発展する可能性もありますので、連絡先をブロックして関わりを断ちましょう。
すでに恋人がいたり、SNSで出会いを探していない人は国際ロマンス詐欺からの最初のメッセージで詐欺に気が付きやすい傾向にあります。詐欺師を懲らしめてやろうと、無理難題を要求したり詐欺行為を盾に脅しをかけると法に触れる可能性があるので注意してください。
また、国際ロマンス詐欺師と知った上でお金を渡してしまうと取り戻すのが難しいだけではなく、犯罪組織に意図的に活動資金を提供してしまうことになります。活動資金が増えると国際ロマンス詐欺がますます増えて、さらに巧妙な手口がうまれてしまうので絶対にやめてください。
怪しいと感じたら証拠集めを始める
SNSやマッチングアプリで出会った外国人が怪しいと感じたら、国際ロマンス詐欺を立証できるような証拠集めをはじめましょう。実際に国際ロマンス詐欺に遭ってしまった場合、詐欺行為を立証できなければお金を取り戻すことも逮捕してもらうこともできません。国際ロマンス詐欺の、証拠となるものをいくつか紹介しますので参考にしてください。
- メッセージのやり取り
- 通話の録音データ
- 相手の個人情報(名前・住所・電話番号等)
- SNSやマッチングアプリのアカウント情報送金履歴
- 振込先情報
これらの証拠は国際ロマンス詐欺の証拠として有効といわれています。しかし、アプリ内のデータは削除される可能性もあるため、スクリーンショットで自分の端末にデータ保存しておくと良いでしょう。
マッチングアプリやSNSで出会った場合は運営に通報しておく
国際ロマンス詐欺師とマッチングアプリやSNSで出会った場合、アプリやサイトの運営元に必ず通報してください。
運営元は、通報を元に詐欺行為を見つけるとアカウント停止手続きができます。アプリやサイトによって変わりますが、電話番号やメールアドレスを登録したしていた場合、同一番号やアドレスからの再登録をできなくさせられるのです。また、複数の詐欺報告があった場合、運営元が警察に通報することもできるため、詐欺撲滅に効果的といえるでしょう。
怪しいと感じるけど詐欺とは断定できないという場合は、先に紹介した国際ロマンス詐欺師の特徴と照らし合わせ複数該当していたらその旨を伝えるだけで十分です。お金を騙し取られる前に気がついたからと通報しないと、別の被害者が出てしまいますので通報に協力お願いします。
個人情報やお金は絶対に渡さない
SNSやマッチングアプリで出会った人に国際ロマンス詐欺の疑いがある場合、絶対に個人情報やお金を渡してはいけません。お金を一度でも渡してしまうと、だんだん要求がエスカレートしていき、個人情報を盾に脅されるケースも考えられるからです。
名前や住所さえ教えなければ良いと考える人もいますが、興信所を使えば電話番号から身元を特定できます。特定されてしまうと、身に覚えのない代引き商品が届き高額請求される可能性もありますので十分に注意してください。
また、個人情報以外にも下着姿や裸の写真を要求してくる国際ロマンス詐欺師もいます。このような写真を送ってしまうと削除と引き換えにお金を要求されるだけでなく、第三者の手に渡ったりインターネット上にアップロードされたりする可能性も考えられるのです。
国際ロマンス詐欺に詳しい弁護士に相談する
万が一、被害にあってしまった場合は、国際ロマンス詐欺に詳しく実績豊富な弁護士に相談しましょう。
損害賠償や慰謝料請求の手続きは、相手の個人情報や証拠があれば弁護士資格がない人でもできますが、お金を取り戻すことを第一に考えるのであればおすすめしません。国際ロマンス詐欺に精通していて実績が多い弁護士であれば、過去の事例をもとにお金を取り戻せる確率がどのくらいか相談時点である程度わかるのです。
ちなみに、弁護士への依頼は相談だけでも1時間あたり5千円から1万円程度かかるといわれています。詐欺行為の立証は難しいといわれているため、取り返せるかわからないお金のために相談料を払うのはと躊躇してしまう人もいるでしょう。そんな人は無料相談を受け付けている弁護士事務所をおすすめします。
国際ロマンス詐欺の遊ぶに関するよくある質問は?
国際ロマンス詐欺と遊ぶ人たちを調べている人の中には、他にもこの詐欺行為について知りたいことがたくさんあるのではないでしょうか。
ここでは、国際ロマンス詐欺に関するよくある質問をいくつかピックアップしてお答えしていきます。疑問をそのままにしておくと実際に国際ロマンス詐欺師と遭遇した場合の対処が遅れてしまう可能性があるため、ぜひ参考にしてください。
国際ロマンス詐欺の相談先として「国民生活センター」はアリ?
国際ロマンス詐欺被害のお金を取り戻すことが目的であれば、国民生活センターに相談しても意味がありません。
国民生活センターとは、日本の独立行政法人のひとつであり、国民生活の安定や向上を目的に活動する組織です。主な取り組みとして、消費者からの苦情相談や調査および情報提供があげられます。これらはトラブルを未然に防いだり拡大させないための活動であり、すでに起きてしまった被害を補償するためではありません。
しかし、国際ロマンス詐欺に遭ってしまってどうしたらいいかわからないという人であれば、目的に合わせた対処法を教えてくれますのでおすすめです。また、1人でも多くの人が情報提供することにより、国際ロマンス詐欺被害減少が期待できますので積極的に相談しましょう。
参照:国民生活センター
国際ロマンス詐欺の手口は似たような傾向が多い?
国際ロマンス詐欺は人物像にはバリエーションがあるものの、手口はある程度パターン化されていて似たようなものが多い傾向にあります。
国際ロマンス詐欺は集団で詐欺行為を働いているケースが多く、マニュアルをもとにターゲットにアプローチしているのでしょう。また、国際ロマンス詐欺は多くのターゲットと恋愛関係を築くため、多くの人が魅力的だと感じる架空の人物になりすましています。
そのため、直接会ってしまうと偽証がバレるので出会いからお金を騙し取るまでインターネット上で完結しなければならないため手口が限定されるのです。国際ロマンス詐欺にあいたくないと強く思う人は、よく使われる手口や詐欺師の特徴を把握し該当する人物に近づかないようにしましょう。
国際ロマンス詐欺師は会う約束だけをすることが多いのはなぜ?
先に説明した通り、国際ロマンス詐欺は実際にあってしまうと嘘がバレるので会うことはできません。それでは、なぜ会う約束するのか疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
国際ロマンス詐欺師が会う約束するときは、2つの目的があるといわれています。
ひとつ目は、ターゲットを信用させるためです。国際ロマンス詐欺はターゲットと恋愛関係になるため、頑なに会わない態度を見せていると不審に思われるからでしょう。もちろん、実際に会ってしまうと嘘がバレてしまいますので何かと理由をつけてドタキャンします。
ふたつ目は、会うことを口実にお金を引き出すためです。会いたいけどお金がないから交通費を送金してほしいというようにお金を要求されるしてきます。
まとめ:国際ロマンス詐欺で遊ぶのは危険|煽らずに無視する方がベスト
国際ロマンス詐欺の手口はある程度パターン化されているため、早々に気が付いて懲らしめてやろうと詐欺師で遊ぶ人もいますが、大変危険ですので真似しないでください。
万が一、自分の身元情報が国際ロマンス詐欺師にバレてしまった場合、逆恨みされたり別の詐欺グループへ情報を売られてしまったりということも考えられます。そのため、SNSやマッチングアプリで国際ロマンス詐欺に遭遇してしまった場合は、煽らずに無視するのがベストな選択です。