近年、日本で急増中の国際ロマンス詐欺。
国際ロマンス詐欺の魔の手は、一般人だけでなく著名人にも伸びています。国際ロマンス詐欺によって7500万円を騙し取られた人気漫画家がいたのをご存知でしょうか?
この記事では、人気漫画家「井出智香恵」が騙されてしまった国際ロマンス詐欺について、詳しく解説していきます。
著名人でも騙されてしまう国際ロマンス詐欺の詳細を知り、私たちも被害に遭わないように気をつけていきましょう。
この記事でわかること
- 国際ロマンス詐欺とは何か
- 人気漫画家「井出智香恵」を騙した相手のプロフィール
- 人気漫画家「井出智香恵」が騙された国際ロマンス詐欺の手口
Contents
そもそも国際ロマンス詐欺とは?
国際ロマンス詐欺とは、SNSなどのネットで知り合った外国人とやり取りをする中で恋愛感情を抱き、現金を騙し取られるという手口の詐欺のことです。
ネットでの出会いが特殊なものではなくなったこと、コロナ禍でおうち時間が増えたことなどを背景に増えてきている犯罪です。
会ったこともない外国人に送金してしまう。冷静に考えればありえないことですが、熱烈なアプローチを受けて恋愛感情を抱いていると正しい判断能力は失われてしまいます。
気軽に誰とでもやり取りできるようになった世の中ですが、その気軽さはあなたを騙そうとする犯罪者にとっても便利なもの。突然やってくるDMは、もしかしたら国際ロマンス詐欺師からのものかもしれません。
国際ロマンス詐欺の被害に遭った人気漫画家は「井出智香恵」
国際ロマンス詐欺の被害に遭うのは、一般の人だけではありません。著名人でもSNSをやっていれば、国際ロマンス詐欺師が近寄ることは可能です。
国際ロマンス詐欺の被害に遭った人気漫画家は「井出智香恵」さんです。井出さんは1990年代にドラマ化された羅刹の家の作者として知られる人気漫画家です。
そんな井出さんが国際ロマンス詐欺の被害に遭っていたことを告白したのは、2022年の初めのころ。騙し取られた金額は、3年半の間に約7500万円もの金額だそうです。
人気漫画家としての地位もある井出さんが、どのようにして国際ロマンス詐欺の被害者となってしまったのかについて、早速詳しく見ていきましょう。
人気漫画家が国際ロマンス詐欺の被害に遭った相手とは?
人気漫画家である井出智香恵さんが、国際ロマンス詐欺の被害に遭った相手とはいったいどんな人物なのでしょうか。
思わず騙されてしまったのは相手が映画「アベンジャーズ」でハルクを演じたマーク・ラファロを騙っていたことと、AIを使って本物そっくりに動くディープフェイクを使っていたから。
人気漫画家が思わず騙されてしまったポイントについて、深く掘り下げていきましょう。
映画「アベンジャーズ」でハルクを演じたマーク・ラファロを騙る詐欺師
井出さんの作品は海外でも出版されており、2018年には作品の一部が国際的なブランドであるグッチのデザインに使われるなど、海外とも繋がりを持っていました。
そんな井出さんのSNSに、2018年とある外国人からメッセージが届きます。
「大ファンです!愛しています!」という内容のメッセージを送ってきたのは、映画「アベンジャーズ」でハルクを演じたマーク・ラファロ。
当然、井出さんも初めからこのメッセージの送り主が本物のマーク・ラファロだと信じたわけではありませんでした。メッセージに対して何のリアクションもせずに放っておいたのですが、マーク・ラファロを名乗る人物からの熱烈なラブコールが止むことはなかったのです。
AIを使って本物そっくりに動くディープフェイクを使っていた
最初はマーク・ラファロであることを信用していなかった井出さん。止まらないメッセージに対して、ある日こんな風に言ってみます。
「オンラインで姿を見せて」
この井出さんからの要望によって、オンラインでついに対面することとなった2人。井出さんが画面の向こうに見たのは、マーク・ラファロその人でした。
この出来事があって、すっかり相手がマーク・ラファロであると信じてしまった井出さんは、国際ロマンス詐欺の被害者になってしまいます。
井出さんを信用させた画面上の喋るマーク・ラファロですが、これ実はAIを使って本物そっくりに動くニセ動画、ディープフェイクを使ったものでした。井出さんの作品にも詳しく、動く姿も見せてくれる。このことがあって井出さんはすっかり詐欺師のことを信用してしまいました。
人気漫画家を襲った国際ロマンス詐欺の手口
人気漫画家を騙した相手がマーク・ラファロであることはわかりましたが、どういった手口で国際ロマンス詐欺に引っ掛かってしまったのでしょうか。
その手口は下記のようなもの。
- きっかけはTwitterのダイレクトメッセージ
- 毎日「大ファンです!好きです!愛してます!」とメールが届く
- 1度も会わず、知り合って4ヶ月で“結婚”
- その後金銭の要求が始まり、最終的な被害額は3年半で7500万円
- 長女に諭され詐欺に気が付く
人気漫画家から7500万円もの金額を騙し取った手口について、詳しく解説していきます。
きっかけはTwitterのダイレクトメッセージ
井出さんと詐欺師の出会いは、Twitterのダイレクトメッセージです。とはいえ、有名人であり外国でも活躍している井出さんの元には、たくさんの外国人からメッセージが届きます。
ファンであったハリウッド俳優のマーク・ラファロだという人物からのダイレクトメッセージも、最初は気にも留めていませんでした。怪しい外国人からのメッセージは井出さんにとって日常茶飯事で、そんなことをいちいち気にしていてはいられません。
このことからわかるのは、決して井出さんが詐欺に引っ掛かりやすい何でも信用してしまうタイプではなかったということ。最初から信用してしまいのめり込んでしまったわけではないのに、それでも国際ロマンス詐欺に遭ってしまったのは、詐欺師の手口が巧妙だったからです。
毎日「大ファンです!好きです!愛してます!」とメールが届く
井出さんんはマーク・ラファロからのダイレクトメッセージの相手をすることはありませんでした、マーク・ラファロを名乗る人物からのメッセージは毎日送られてきます。
「大ファンです!好きです!愛してます!」
好意を伝えられて悪い気がする人はいないでしょう。井出さんも毎日のメールについつい返事をしてしまうようになりました。それでも、まだ相手を信用していたわけではないのですが、井出さんの作品についても詳しく、巧妙なフェイク動画で会話したこともあり段々と信用していくようになってしまいました。
熱烈なアプローチは国際ロマンス詐欺の常套手段です。「私がそんな手口に引っ掛かるはずがない」と思っていても、実際に情熱的なメッセージが送られてくると心は揺らいでしまうかもしれません。
1度も会わず、知り合って4ヶ月で“結婚”
井出さんと詐欺師は、知り合って4ヶ月で何と結婚してしまいます。といっても法的なものではなく、画面上で「血の誓い」を交わしたというようなもの。
詐欺師いわく、この血の誓いはイタリアでは結婚証明書よりも価値があるものなのだそうです。これにすっかり騙された井出さんは、血の誓いを交わしたことによってますます詐欺師にのめり込んでしまうようになりました。
「僕の奥さんだったら、お金を貸してくれるよね?」こんな風に結婚していることを理由にして、どんどん詐欺師はお金を要求するようになってきました。そして、井出さんもその要求に応え合計で100回以上お金を振り込んでしまいます。
1度も会わずに結婚なんておかしなことですが、ロマンスの最中にいると気づけないものなのでしょう。
その後金銭の要求が始まり、最終的な被害額は3年半で7500万円
詐欺師は最終的に井出さんから3年半で7500万円もの金額を騙し取ります。お金を要求するときの手口は次のようなもの。
- 妻と離婚調停中でお金が使えないから
- 交通事故に遭ったから
- 母や友人を名乗る人物からもお金を貸してやってくれと頼まれる
- ボランティア活動、娘の学費
このようにありとあらゆる手口で詐欺師は、井出さんからお金を奪い取っていきました。こんなにもお金を要求されて相手のことを疑わなかったのには、さらに詐欺師側の巧妙な手口がありました。
詐欺師は12億円が入っているというスーツケースを井出さんのもとに届けさせ、半分はあなたのものだと言って置いておいたのです。札束は黒く塗られており白い粉にまみれて触ることはできなかったのですが、そのうち1枚が実際に1ドル札であるのを見て井出さんは信用してしまいます。
これによって、担保があるようなものなので井出さんはさらにお金を貸してしまうように。そして、合計7500万円ものお金をつぎ込んでしまうのです。
長女に諭され詐欺に気が付く
国際ロマンス詐欺の被害に遭っている井出さんを救ったのは、井出さんの長女です。最初、長女はマーク・ラファロと恋に落ちる母を見守っていました。
それは「母の人生は母のものである」と考えていたため。恋愛も好きにすればいいと考え口を出すことはありませんでした。
そんな長女が動いたのは、井出さんが自分のお金だけではなく友人や家族にお金を借りてまで送金するようになったから。しかし、長女からの詐欺ではないかという警告に井出さんは耳を貸しませんでした。
そこで諦めずに長女は、マーク・ラファロが本物ではない証拠を周囲の人と協力して集めていきます。ついにお金の尽きた井出さんは長女の集めた証拠を見て、ようやく詐欺だと気づきました。この頃には、詐欺師との出会いから3年半が経過し、約7500万円ものお金を失っていたのです。
まとめ:国際ロマンス詐欺の被害に遭った人気漫画家は「井出智香恵」
国際ロマンス詐欺は、どんな立場の人にでも起こり得るものです。国際ロマンス詐欺の被害に遭い、そのことを公表した人気漫画家は「井出智香恵」です。
思い出すのも辛い経験だと言いますが、同じような経験に遭っている人を救うために情報発信をしてくれています。「孤独で年を取りパソコンの使い方にも不慣れな人は、愛していると言われたら騙されてしまう。」そう語る井出さんの体験談を無駄にしないでおきましょう。
いつ誰が国際ロマンス詐欺の被害に遭うかはわかりません。インターネットを使うのなら、国際ロマンス詐欺師が潜んでいる可能性があることは知っておきましょう。よく知らない外国人からの突然のメッセージには注意が必要です。